ハイチの地震が起こる前は、私はハイチのことは全くと言っていいほど知らなかったし、今でもよく知らないままである。でも、この地震による被災の状況を私が入手できる範囲のニュースで見るうち、これは単なる自然災害ではない、このような惨事が起こるのには、訳があるのではないかと思わざるを得なくなった。
ロサンゼルス大地震と同じマグニチュード7.0の地震で、ロサンゼルスに比べてこんなに大きな被害が出ているのはなぜか?この国はこんなに貧しいのはなぜか?
募金以外に、何か私にできることはないか、と思ったとき、ハイチという国のことをもっとよく知ることが、私にできることの一つではないかと思った。もちろん、それはごく小さなことではあるが…。
この間、ラジオやインターネットニュース、新聞で知ったことの一部。
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・ハイチは地震前から南北アメリカでもっとも貧しい国だったということ。たとえば、水道のある家庭は少なく、下水のある家庭はほとんどなかった。
・過去2回のクーデター(1991、2004)で、民主的選挙で選ばれた政府に対する反政府軍をアメリカは支持したということ。クーデターにより、ハイチのインフラは国レベル、地方レベルで壊滅的な打撃を受けた。
・地震の後、米軍がポルトープランスの唯一の空港を管理し、援助物資を積んだ飛行機の着陸よりも軍の飛行機を優先。国境なき医師団の飛行機5機、フランスからの救援物資を運ぶ飛行機1機が着陸を許可されず、隣国のドミニカ共和国のサントドミンゴへ回避させられた、という報道あり。
・「地震の救援に、なぜ軍隊が武器を持って来なくてはならないのか?これは戦争ではない。われわれがほしいものは水、食料、救済だ」。何日も水も食料もなければ、住民がいらだつのは当たり前だが、略奪などはごく一部、この想像を絶する被害の中、コミュニティの人が助け合って、何とか生き延びようとしている中、外国の軍隊が銃を持ってやってきて、被災民をまるで敵扱いしている、という現地からの報道あり。
・アメリカに住むハイチ人の身分を保証し、働く権利を与えることが、ハイチの復興を助けることにつながること。3万人のハイチ人がアメリカからの強制送還の危機に瀕していること。ハイチの一番の収入源は、アメリカのハイチ人が自国に送るお金だということ。
・今後の復興に誰が乗り出し、利益を得るのか、という問題。