2009年5月26日火曜日

高原旅行 by acupoftea


子供の頃、毎年夏休みに家族で車で3時間ほどの高原に泊まりがけで家族旅行に行くことを、それは楽しみにしていた。それこそ、次の年の旅行を、その年の旅行が終わった瞬間から楽しみにしていた。「旅行」と言ってもせいぜい3泊ぐらいの、ささやかな旅だ。その頃、私たち家族は都会のすみっこに住んでいた。

まずは荷造り。おやつも揃えて。

前の夜は、もちろん寝られない。

高速道路からして興奮のるつぼだ。高速道路走行中、弟と作詞作曲した歌もいくつか。

山に着けば、空気が涼しくて、都会では夏には着ないセーターが必要だ。

憧れの高山植物の花々に1年ぶりに対面。

山小屋で食べる山菜料理の、エキゾチックなこと。

夜になると自家発電の電気は切られ、部屋にはランプが灯される。

黒曜石という、黒く渋く光る天然石を拾う。

川をせき止めて、ダムを作る。

都会にいる時とは全く違った心と体で活動をしているような、そんな気分だった。

***

先週末、車で15分ぐらいのパワーライントレイル(「電線遊歩道」?)をお弁当を持ちながら家族で歩いていて、ふと思った。

これって、子供の頃、夢にまで見たあの「高原」が、自宅から15分の「日常」の中にあるってことじゃないか!

日常からこんなに近いアラスカの「高原」を、アラスカに住む私は都会にいる時の心と体で歩いている。

子供だった頃の気持ちで、今度は山を歩いてみたい。



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